古都 DVD 市川昆 監督、山口百恵 出演

Item info

Shipping in Japan Not Free
Item condition: new
Availability: Yes


Calculate

  • Price (JP¥):
  • Domestic shipping (JP¥):
  • Total weight (grams):
  • Destination country:
佐田千重子は京呉服問屋の一人娘として何不自由なく育った。
千重子が父母から実子でないことを知らされたのは中学生のときである。
祇園の夜桜の下の寝かされていた赤ん坊があまりに可愛いので、悪いと知りながら盗んでしまったと父母はいうが、千重子は信じていない。
店のべんがら格子の下に捨てられた捨子だと思っている。
千重子はなぜか清滝川沿いの奥の北山杉の村に心が魅かれる。
或る日、友だちの正子と北山杉に行った千恵子は、自分とそっくりの村の娘と出会い、驚く。
祇園祭に賑わう宵山の晩のこと、「御旅所」にお詣りに行った千重子は、そこで七度詣りをしている瓜二つの娘と再び出会う。
「……あんた、姉さんや。神様のお引き合せどす」瓜二つの娘の苗子は千重子の手を握った。
苗子と千恵子とは双児の姉妹だった。
ふたりの父は北山杉の職人で、生活苦のため千重子のほうを捨てたが、間もなく杉から落ちて死に、続いて母も病死した。
孤児になった苗子は北山杉の持主の家に世話になり、現在もそこで働いているのだった。
せっかく会えた姉妹であったが、苗子は今は環境の違う姉の幸福をこわさない心づかいで、雑踏の中に姿を隠す。
8月の末、引かれるように北山杉の苗子を訪れた千重子は、夕立の中で苗子と抱擁し、姉妹の実感に感動した。
帰宅して父母にすべてを打明けると、父母は温かく苗子をこの家に迎えてもいいと言ってくれた。
粉雪が舞う夜――苗子が千恵子を訪れた。
並べた床の中で千重子は妹に言った。
「苗子さんは苗子さん、私は私。どっちの幻でもあらしません」
夜明けに帰る苗子を見送った千重子は、「また、来とくれやすな」
しかし、苗子は首を振った。
結局ふたりは別々に生きるより仕方がない運命を知っていた。
千重子はべんがら格子戸につかまって、長いこと見送った。
苗子は振り返らなかった。
ハイビジョン リマスター作品
"川端康成原作の『伊豆の踊子』で、昭和49年12月にスクリーンにデビューした山口百恵は、女優として成長し、この成熟を6年後、同じく川端康成原作の最後の映画『古都』で飾る事になった。
川端文学独自の妖しげな美しさを基調にして、別々に生きて来た瓜二つの姉妹の運命とその出会い、そして、孤独と愛情、娘ごころの哀歓、親と子のつながりと願望を華麗に浮き彫りにする。
これは市川崑監督が、古都'京都を新しい視覚で捉え、山口百恵を主演に描く、格調高い娯楽作品である。

出演: 山口百恵, 実川延若, 岸恵子, 三浦友和
監督: 市川昆
脚本: 日高真也, 市川崑
製作者: 堀威夫, 笹井英男