当方のオークションにアクセス頂き、ありがとうございます。 今回は古材ウォルナットで古材チークをサンドイッチしたオーディオ用のインシュレーターを製作しました。
どちらの銘木もそれぞれ主役級です。
また今回は余計な応力を抜く為に圧着してから1年以上寝かせてから仕上げております。

ウォルナットを薄く削り、中のチークは矩手を出しながら削り、フランクリン社のタイトボンドⅢを塗り、25t以上の圧力を掛けて工業用プレスにて接着しております。
上下のウォルナットは7mm、中のチークは15mmです。

角は全面8Rの仕上げです。
カット面よりもR面(曲面)の方が音の反射やスピーカー本体の振動を分散させるのに良いと聞いたので全面を滑らかにしてあります。

仕上げの工程ですがペーパー120番→リボス　黒檀色を塗布→乾燥→ペーパー150番・240番・320番・600番・1000番・1500番・2000番・3000番でウェットサンディング＋乾燥後に浸透性のガラス塗料であるナノクリアスを2度塗布し、仕上げております。
リボスオイル、ナノクリアスはどちらも高級家具に使われる塗料です。
塗膜の強さはワトコオイル＋ワックスの比ではないほどに強靭です。
また、ワトコオイル＋ワックスの仕上げよりも自然な美しさとなっております。

音の傾向ですが、ウォルナットは音の立ち上がりが早く芯のある音色です。
また、音を凝縮する様に感じます。
対するチークは柔らかく、甘いリラックス出来る音色、そして広がりのある音色と少々異なる音質の２つの銘木ですが、今回は古材を使用した事と仕上げるまでに湿度が一定の地下室にて1年以上寝かせた事が良い方向へ進んでくれました。
互いの良さを打ち消す事なく、それぞれの持つ個性をより高い次元へ引き上げている印象があります。

高音は華やかではあるものの、より繊細に。
ヴォーカルは声や位置を、よりくっきりと。
低音はボワつく事なく、響き過ぎる事なくタイトに。
異なる銘木を組み合わせたインシュレーターは強烈な個性を求める方には物足りないかもしれませんが、派手な見た目とは裏腹に、個性を主張し過ぎない大人の音となっております。


※インシュレーターを設置した事で機材そのものや再生される音が数ランク上になるという事ではなく、今までの余計な振動・周波数であったものから発生していた音が整えられた、または加えられた結果、以前より良く聞こえる様になったという様に捉えて頂ければ幸いです。


※メンテナンスについて※
今回、製作したインシュレーターはオイルとガラス塗料で仕上げてあります。
出品する際には表面のオイル・ガラス塗料はしっかり硬化しておりますが、時間が経つにつれて更に中まで浸透して硬化します。
完全に硬化しますと、更に響く様になります。

※耐荷重について※
ごく稀に何kgまでのスピーカーに耐えられるのか？という質問を頂く事があります。
比重1前後の寸法60mm角のローズウッドでテストしたところ、プレスで1tを掛けてもびくともしませんでした。
また部屋にスピーカーを設置したという想定で、四隅にインシュレーターを並べ、ベニヤを敷き、その上に120kgほどの鉄のプレートを乗せた事もありますが何ら問題はありませんでした。

天然の素材を使用している為、多少の反り・捩れ・縮み・割れが発生する可能性がございます。
木の特性と受け入れ、付き合っていただけたらと思います。
何かご不明な点がございましたら、お気軽にご質問下さい。