本機も特に私のお気に入りのアナログレコードプレーヤーです。
私は故長岡鉄男氏のファンですが、このプレーヤーは長岡式と言えるような造りになっています。
長岡式ではアームを鉛板に取り付け、鉛板は特にネジなどでは固定せずその重量によってボードに固定されます。
本機ではメーカー製なので厚くしっかりしたアルミ板をネジで固定しています。
この機種もとても古い機種なので長岡氏がどのように評価していたのかはわかりませんが、その後の人気機種QL-7Rなどは高く評価し推奨していたと思います。
それ以前のプレーヤーは木の箱にターンテーブルとアームを取り付けたような構造でしたが、長岡氏は積層合板を何枚か積み重ね
一枚の厚く重いボードにしてターンテーブルを取り付けて使っていました。
長岡氏はビクターのアナログレコード関連機器はプレーヤー、アーム、カートリッジなど高く評価し、リファレンス機としても使っていました。
私もビクター製品は好きなのでメイン機は現在でもTT-81を取り付けた長岡式積層合板プレーヤーを使っています。
当機のJL-B77という型番は単売品として販売されたJL-T77ターンテーブルと高密度ブナ材積層合板キャビネットJL-C77にアームUA-77を組み合わせたものです。
77という型番は当時のビクター機では最高グレードのプレミアム機になります。
私もこのJL-B77をはじめて知った時には何か古めかしいレトロなプレーヤーだなあ、とさして気にかけていませんでしたが
いろいろと調べてみて実際に手に入れてみてこれは実にしっかりした造りのとても良い機種だとすっかり気に入ってしまいました。
特に組み合わせてあるターンテーブルのJL-T77は、これは素晴らしいモーターと制御回路を使った現在でも最高レベルと呼べるものです。
クォーツ以前のダイレクトドライブですが先発のテクニクス SP-10をよく研究し、それを超えるモーターを作り上げてしまったようです。
これらは本当に画期的なモーターでしたが、その後は各社とも簡易型になっていってしまいました。
ある意味オーバースペックとされたのでしょう。それ故当機のモーターは現在でも最高スペックと言えるかと思います。
DCモーターはトルクは大きいですがコギングがあるとされ動きがスムーズではないと言われます。
ACモーターはトルクは小さいですが電源の正弦波で駆動されるためコギングはなく動きはスムーズです。
JL-T77のモーターは分類上DCモーターなのでトルクは大きいのですがその駆動回路は6相の正弦波交流を発生し用いてその意味ではACモーターなのです。
普通のDCモーターはほとんどが正弦波など使わず、矩形波（パルス）駆動です。
メーカー製のDD/DCモーターをわざわざ正弦波駆動にしている製品はごく僅かしかありません。
自作派にはよく知られた金田式ぐらいですか。復活したテクニクス製品にも使われたようです。
これはDCモーターとACモーターの良いとこ取りと言えるでしょう。
SP-10と同様の20極60スロット（駆動コイル数が60）のモーターですがこれを6相交流を発生する駆動回路でドライブしているのです。
DD本家の当時の松下をも上回る技術を投入してしまったと言えるでしょう。
でも、ビクターも松下もこの頃の20極60スロットという非常に手の込んだモーターは最後で、その後は
大量生産の可能な15スロット（駆動コイル数が15）辺りに落ち着いてしまったのでした。
本機のような高級機ではカートリッジは付いていませんでした。ただし、皆さんカートリッジ付きをお望みのようです。
そこで即決で購入された方には当時安価ながら本格的なMCカートリッジのオーディオテクニカAT-F3Ⅱとパイオニア製ゴムシートJP-501をお付けします。
MC型なのでトランスなどで昇圧して使うのですがMM入力でもなんとか使えます。
どうしてもMM型の方が良い方には適当なMM(VM)型カートリッジに変更もできます。落札後にお知らせください。
もともとこのJP-501はパイオニア製のプレーヤーの付属品でしたが長岡氏がその音の良さに気付きリファレンス使用された事で単売品になりました。
どちらも Used ですが特に問題なく良好に使用できます。即決価格は少し高額になりますが長岡氏の推奨品です。もちろん私も特にお勧めします。
本機は複数台入手したうちの、動作に問題なく程度の良いものをクリーニング、メンテナンスしたものです。
アームはUA-77ではなくJL-B61の付属品です。単売品のUA-5045に近い物です。ただしアームリフターやホルダーは別のビクター機の物です。
ベース部の飾りワッシャーはやはり別のビクター機の物でアーム高さはこちらの方が丁度良いでしょう。
グリスを交換してアームリフターはゆっくりスムーズに降下します。
アームケーブルは純正ではなく手持ちの良品です。このケーブルだけでもけっこう高額になります。
モーター軸受けは古い油をふき取り、新たに超潤滑性のオイルを注油しました。
当機の取説では注油の必要は無いと書かれていますが、古いプレーヤーのオイルは劣化しているので再注油が基本ですね。
このモーター軸は本当に気合の入った非常に図太いもの。こんなのは初代SP-10くらいしか知りません。
ビクターのTT-71などはプラッターを外すと一見太く見えますが、中身は普通でセンタースピンドルと同じ太さでした。
回転調整ボリュームは信頼できるクリーニング/接点復活剤を複数使い分けて使用。
タバコのヤニで茶色く汚れる事の多いプレーヤーですが本機はかなり綺麗でした。さらに全体を特殊なクリーニングワックスなどで磨きました。
もちろん私はタバコは吸わないのでその後も匂いなどありません。
このシリーズ機でよく問題になるスイッチボタンは奇跡的にほとんどキズはありません。
ほとんどの当機のボタンはグリスの劣化で固く動かなくなって、引っ込んだまま戻らなくなってしまいます。
皆さんそのボタンを固い物でコジて引っ張り出そうとします。それでほとんどのこのシリーズ機のボタンがキズだらけになっているのです。
スイッチの動きはやはり微妙でしたが注油と調整でスムーズに問題なく動作します。
動きが悪くなったら無理にコジたりしないで適当な油をボタンの隙間などから注油してください。
ただし5-56のような乾いて後で固くなる物より低粘度シリコンオイルが良いでしょう。
年式なりのキズ、スレなどは僅かにありますが全体的にとても綺麗と思います。
その他プラッター、アームなどの金属部も磨いてピカピカです。取り外せるヒンジなどは外してネジ1本1本まで磨きました。
少し面倒ですが、プラッターのストロボパターンも磨いてワックスをかけてあるのでくっきりと表示します。
ダストカバーはコンパウンドで磨き、特殊なクリーニングワックスで仕上げたのでかなり綺麗かと思います。
このカバーはほかの機種と比べても特に重く美しい高級仕様です。
当時のダストカバーは高級なアクリル製でした。その後の安い樹脂製とは違い黄色く変色するような事も無いようです。
ダストカバー受けのアタリのクッションは無くなっていたのでコルク製の物を付けてあります。
詳細は画像をよくご覧になってご検討ください。写真は下手で申し訳ありませんが多めにupしておきました。
その他、回転も安定してストロボスコープも33回転、45回転も問題なく止まり、回転調整もスムーズに行えます。
また、劣化しやすい脚のインシュレーターゴムも特に問題ありません。
ゴムシート、EPアダプター、アームケーブル、自作のフォノモーターのアース線です。画像のレコードは付属しません。
また、アームは5ピン仕様の単売品なのでより高性能のケーブルにも簡単に交換できます。
ゴムシートはクリーニングして保護剤をかけたので問題なく使えますが、これは即決特典の長岡氏推奨パイオニアJP-501の使用をお勧めします。
即決で購入された方にはパイオニアJP-501ゴムシートとオーディオテクニカAT-F3ⅡMCカートリッジ(純正シェル付き)をお付けします。
MMカートリッジをご希望の方には交換も可能です。落札後にお知らせください。
オート機構など全く無いマニュアル式ですので慣れた方なら問題ありませんが、アームのバランスのとり方や針圧の掛け方
アームの高さの合わせ方、カートリッジの取り付け方など一般的なプレーヤーの使い方をよくお調べになってからお使いください。
また、ネットからDLしたターンテーブルJL-T77とキャビネットJL-C77、ほぼ同等のアームのQL-7の取扱説明書のコピーをお付けします。
不鮮明な所はあるかと思いますがご了承ください。
このプレーヤーはとても古くビクターでしたらその後のQL-7Rなどは人気は高くなりますが
写真ではわからないような実物を実際手にとってみるとこちらのほうがずっと高級感があります。長岡式といってよい積層合板ボード式の存在感ですね。
ビクターはもともと日本ビクター蓄音器といったくらいでレコードプレーヤーの専門会社だったんですね。
この機種の頃には松下製のDCモーターを採用したJL-B44などや自社製のACモーター（JL-B61/TT-61など）やDCモーターを開発採用し
その後のメインモーターとして自社機はもちろんヤマハやマイクロなどにOEM供給する事になります。
DD本家の松下にならって短期間に試行錯誤した後に各社に多数供給できるモーターを開発したのだと思います。
短期間に多種のモーター採用の機種があるのはプレーヤー専門会社としての意地があったんでしょう。
この機種はクォーツロックになる前の機種ですので回転が安定しないのではとお気になさる方も居られるかと思いますが
私が多数のプレーヤーを使ったところでは全く問題ないと確信します。
クォーツロックでないと音が変化するとかクォーツの方が音が良いとかはありません。
クォーツなら調整がいらないというだけです。
ストロボが安定して止まらないと気にされる方も居られるかと思いますが、ストロボは電源の50Hzまたは60Hzの明滅を利用しているので目安にすぎません。
実際には電源周波数はその地域の電力使用量によっては微妙に変化するのです。
発電所はその変化をできるだけ少なくする努力はしていますがクォーツ並みにする事はできません。
DCサーボモーターですからプラッターの回転数は電源周波数には影響されません。周波数で変化するのはストロボの明滅周期です。
この変化を回転の変化ととらえて頻繁に回転調整をすればボリュームが痛むだけですね。
なお、当機のストロボは50Hzと60Hzを切り替えられるようになっています。
現在は60Hzですが落札された方の地域に合わせます。落札後にお知らせください。
レコードプレーヤーは本機のようにしっかりと重く丁寧に作られていれば、まず良い音がするものです。
機能的で美しいアームは良い音がするものです。
高性能ターンテーブルJL-T77と高性能キャビネットJL-C77、高性能アームとの組み合わせでカートリッジの性能、個性を余すことなく引き出します。
本機は当事のフラッグシップ機でしたので高解像でとてもクリアーな上級機種特有の音がします。
重く、堅牢なキャビと高性能アーム、高い回転性能のフォノモーターが高性能カートリッジの能力を最大限に引き出します。
レコードプレーヤーはオーディオ製品の中では特に繊細でその取り扱いには熟練が必要かと思います。
私は今でもレコードを聴くことがメインで多くのプレーヤーを使用してきました。
やはりオーディオマニアでしたらレコードを聴きましょう。
メカ部分がほとんどのアナログレコードプレーヤーはオーディオ機器の中では本当に特別な物と思います。
リサイクル業者の方などご自身で全くプレーヤーを扱う事のないオーディオとは無関係な方が梱包を行うとプラッター、ゴムシート
アームなどをロクに固定もせず送られてしまい本当に呆れる事が多いです。
いくら細かく説明してもわからないのですね。この点私は趣味でプレーヤーを扱って来ましたので梱包、発送に関しては安心してお任せください。
プラッター、ゴムシートなどは取り外して同梱します。
アームはテープなどで固定して緩衝材も使います。ただし、段ボール箱や緩衝材はリサイクルを使いますのでご了承ください。
□配送は送料のお徳なおてがる配送ヤマト運輸宅急便（EAZY）、大きさは140サイズになると思います。
□新規の方、悪い評価がある方は即決で落札されても落札者様都合でキャンセルさせて頂く場合があります。
落札後連絡がとれず受取連絡もされない方がいます。新規の方、悪い評価の多い方は入札前に質問欄から必ずご連絡ください。
□動作しない、音が出ないなど重大な初期不良には対応します（商品到着後7日まで）。
とても古い商品です。その後の故障などについてはご容赦ください。
Used 商品になります、あまりに神経質な方、購入意思の無い方、完璧を求める方の入札はお控えください。
0
In cart
Add to watchlist 
Shipping calculator
