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展覧会図録　ルフィール・タマヨ展　１９９３年　メキシコ抽象画神話感性の巨匠　１６７ページ　８４点　美術館に行けずともこれがある！

Auction ends: 07/07/2024 21:40 (Tokyo)
Auction start: 06/30/2024 21:40 (Tokyo)
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あいさつ
メキシコ近代絵画の巨匠ルフィーノ タマヨは、1899年にメキシコのオアハカで
サポテカ・インディオの血統に生まれ、 1991年にメキシコシティにおいて、91歳の
高齢で亡くなるまで、 まさに20世紀という時代とともに歩み続けた世界を代表する画
家のひとりです。
メキシコ革命の嵐のなかで画家を志したタマヨは、まずメキシコ古代彫刻に学んだ
後、ニューヨークに渡って、キュビスムなどのヨーロッパ近代絵画を吸収するととも
1930年代から40年代にかけて、メキシコ古代美術とヨーロッパ近代絵画の精神と
造形を融合した独自の画風を確立しました。社会的な主題によるメキシコ壁画運動が
全盛期を迎えようとしていた時流のなかで、 タマヨはそうした民族主義的な傾向をも
った壁画に対して、国際性と普遍性をもったタブロー画 (油彩画など額縁にはいった
絵画)の重要性を主張して、新しいメキシコ現代美術を先導したのです。 1950年代に
は、ヴェネツィア・ビエンナーレ、サンパウロ・ビエンナーレなどの国際展における
活躍を通して、 メキシコを代表する世界的な画家としての評価を受け、それ以降60年
代から70年代にかけて、 華麗な色彩と洗練されたフォルムによる構成的な画風を展開
して、次第に円熟味を加えながら、 最晩年となった80年代において、 人間的な意味に
溢れた輝かしい作品群を残しました。
タマヨ没後、世界で最初の遺作展となる本展は、 メキシコのルフィーノ タマヨ国
際現代美術館の全面的な協力の下に、 最初期の1920年代から最晩年の1980年代までの
代表作 84点 (壁画1点を含む) によって、 タマヨ芸術の全貌を紹介するものです。
主催者

作品解
少年の肖像
Retrato de nio
1928年
油彩・キャンバス
leo sobre tela
74×63.5cm
オルガ・タマヨ夫人 メキシコシティ、メキシコ
Coleccin Sra. Olga Tamayo, Mxico DF, Mxico
少年は真正面から鑑賞者を見つめている。内気そうな態度のなかで、視線
の力強さが際立っている。 両眼は極めて簡潔に描かれている。じっと瞳を凝
らして、何かを待っているかのようであり、口元は軽く開いている。何らかの合
図、おそらくカメラのシャッターが落ちる音を持っているかのようである。 子ど
もの頃に撮ってもらった写真をもとにしている可能性もあり、とするならば、こ
れは明らかに回想的な肖像画と言える。 かつての青春時代を思い起こして
いるかのように、まるで借り物のように、不器用な感じで帽子を持ち、両手の
置き所もぎこちない。 画材の豊かさとともに、 薔薇色 黄土色、茶色、灰色、黒
色といった色彩の微妙な色調が相待って、力強くて繊細な構図をもたらして
いる。 人物像を椅子の中央からずらすことによって、この厳粛な瞬間がすぐに
終わることを暗示している。
2
物体構成
Arreglo de objetos
1928年
油彩・キャンバス
leo sobre tela
50×65cm
B.ルーウィン・ギャラリーズ パームスプリングス、カリフォルニア、アメリカ
合宋国
Coleccin B. Lewin Galleries, Palm Springs, California, U.S.A.
最初のニューヨーク滞在において、タマヨはピカソ マチス、ブラックの絵画を
熱心に鑑賞することによって衝撃を受けた。しかし、最も魅了されたのはジョ
ルジュ・デ・キリコの作品であり、物体と空間と構造の不思議な配置から、そ
れまで体験したことのない精神的な動揺を感じたのである。 タマヨは安易な
模倣にすることなく、1928年以降の一連の静物画の制作に取り組んだが、
それらはいかなる写実的な論理性ももたない物体の構成による、まさに「形
上絵画」の作品であり、まったく象徴性をもたないものに、それらを近接配
置することによって、ある種の感性を与えているのである。 本質的で不思
議な視覚詩の探究は、タマヨに実験的な前衛美術に対する近親感を抱か
せて、その結果として、シュルレアリスムへの接近へと向かわせた。 色彩は画
面全体を輝かせて、ひとつひとつの物体を鮮やかに際立たせている。
3
貝殼
Los caracoles
1929年
油彩・キャンバス
leo sobre tela
59×63cm
オルガ・タマヨ夫人 メキシコシティ、メキシコ
Coleccin Sra. Olga Tamayo, Mxico DF., Mxico
この時期、タマヨは形態自体が心地好いもの、あるいは詩的に組み合わせる
ことのできるものを好んで絵画的に構成しようとしている。 構成要素は、 多
彩な色彩によって、背景で際立っている。 対象となる物体の一群は前景に集
められている。 大きな青い電球光っているようにも見える、

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